資格スクエア予備試験講座を検証|元四大弁護士が「添削275通」と合格率21.7%の注記を読む
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結論:添削を2層に分けた、唯一の予備校
先に結論を書きます。
資格スクエアの司法試験予備試験講座は、論文添削を「AIが返す層」と「人が返す層」に分けて、1つの商品に入れた予備校です。基礎問334問はAIが最短1分で返し、その上に人による275通の添削が乗っています。
当サイトではスタディングの検証記事で、添削という作業は性質の違う2つの仕事に分かれると書きました。形式と論理の検査、そしてその上の評価です。前者はAIが得意で即時性が効き、後者は大量の答案を見た経験に依存する。
資格スクエアの構成は、この分解をそのまま商品にしたような形になっています。設計としては理にかなっています。
一方で、前面に出ている合格率21.7%という数字には、公式サイト自身が「受講生アンケートによる」と注記しています。ここは読み方に注意が要ります。後半で分解します。
添削の質を自分の答案で確かめたい人へ 資格スクエアはAI添削を非受講生にも無料で開放しています。民法・刑法・憲法・商法の各1問が対象で、提出した答案が実際に採点されて返ってきます。他社にはない手段で、読むより試すほうが判断は確実です。 → 資格スクエア 無料講義体験・AI添削体験(公式)
料金:87万円台という位置
2026年10月時点で、公式サイトに掲載されている主な価格は以下のとおりです。
| プラン | 税込 |
|---|---|
| 合格フルパッケージ(12期) | 877,800円 |
| 同・製本テキストなし | 822,800円 |
| 短答攻略NEO | 239,580円 |
| 論文攻略NEO | 317,625円 |
| 予備試験・論文過去問攻略GRIT | 152,460円 |
| 同・プレミアム | 239,580円 |
主力は合格フルパッケージ(税抜798,000円)です。受講期間は2年間。
当サイトでレビューした他社と並べると、位置づけが見えます。
| 予備校 | 主力コース(税込) |
|---|---|
| 伊藤塾 | 約149万6,000円 |
| アガルート | 129万8,000円 |
| 資格スクエア | 87万7,800円 |
| LEC | 約56万1,000円〜 |
| スタディング | 約13万7,000円〜 |
100万円を超える上位2社と、50万円台のLECの間です。そしてこの価格帯で、添削275通を標準構成に含めている点が特徴になります。
なお時期によって割引クーポンが配布されています。価格は改定されるため、申込み前に必ず公式サイトの最新価格を確認してください。
添削275通を、2層に分けて読む
公式サイトは論文添削275通を「業界最多」と表示しています。アガルートのフルカリキュラム206通を上回る数字です。
ただし比較記事で書いたとおり、添削は通数だけでは評価できません。誰がどういう基準で返すかで価値が決まります。
ここを、資格スクエアの構成に即して見ていきます。
下の層:AI添削と基礎問334問
フルパッケージ受講生は、基礎問334問のすべてがAI添削の対象になります。基礎問は、予備試験・司法試験・旧司法試験の出題統計から重要論点を抽出し、単一論点ごとに学習できるようにした事例問題です。
公式サイトは、人による添削との違いをこう整理しています。返却までに日数を要する点、添削にかかる時間を考慮して採点項目数が制約される点、評価基準を定めてもばらつきが出る点、そして「自分の答案を他人に見られる」ストレスで提出が億劫になる点。これらに対して、AI添削は最短1分で返却し、処理速度が速いぶん採点項目を数倍に増やせる、としています。
この課題設定は、実務的に見て正確です。
特に最後の点は見落とされがちですが、重要です。**添削は、提出しなければ始まりません。**そして人に見られる前提だと、出来の悪い答案ほど出さなくなる。伸びしろが大きい答案ほど提出されないという、逆転した状態が起きます。AI相手ならその抵抗がない。
そして単一論点の問題という設計も、AIの得意領域と噛み合っています。規範を立てて事実を当てはめる、という基本構造が守れているかの検査は、判断基準を言語化できる作業です。論点が1つに絞られていれば、なおさら判定しやすい。
つまり下の層は、形式を固めるための反復装置です。ここにAIを置くのは合理的です。
上の層:人による275通
その上に、人による論文添削が275通あります。
ここで確認しておくべきことが1つあります。公式サイトは、添削を誰が担当するのかを明示していません。
これは批判ではなく、比較の際に効いてくる差です。アガルートは、講義・添削・質問回答のすべてをプロ講師(全員が新司法試験合格者)が担当し、合格者アルバイトを使わないことを明示して差別化しています。明示している社と、していない社があるということです。
添削者の属性で価値が決まるわけではありません。合格者であっても、鋭い指摘を返す人はいます。ただ、数十万円を払う判断材料としては、確認する価値があります。
確認方法は2つあります。受講相談で直接聞くこと。そして添削サンプルを実際に見ることです。資格スクエアはAI添削の無料体験を非受講生にも開放しているので、少なくとも下の層の質は、申し込む前に自分で確かめられます。
2層構造をどう評価するか
当サイトの立場から言えば、この設計は方向として正しいと考えます。
形式の検査は回数が効くので、安く速く回せるAIに任せる。評価の層は人が持つ。役割を分けること自体が、添削という作業の性質に合っています。
ただし注意点があります。**334問のAI添削と275通の人的添削は、合計609回の添削ではありません。**性質が違うものを足しても意味がない。「業界最多275通」という比較は人的添削どうしの比較であって、AI添削はその外側にある別の機能です。
数字を足し合わせて他社と比べると、判断を誤ります。
合格率21.7%の注記を読む
ここが本記事のもう1つの中心です。
公式サイトが掲げているのは、令和4年から7年の予備試験について、受験者全体の平均最終合格率3.6%に対し、資格スクエア受講生の平均最終合格率は21.7%で、全体の6.03倍という数字です。
そして同じページに、小さく注記があります。「※受講生アンケートによる」。
この注記が意味すること
合格率は、分子と分母で決まります。分子は合格者数、分母は受講生数です。
アンケートに基づく数字である以上、**分母は「アンケートに回答した受講生」**です。全受講生ではありません。
ここで考えるべきは、誰がアンケートに回答するかです。合格した人は、報告したい動機があります。体験記の依頼も来ます。一方、不合格だった人がわざわざ回答する動機は、相対的に小さい。
**回答者の構成が合格者に偏れば、算出される合格率は実際より高く出ます。**これは資格スクエアに限った話ではなく、アンケートを母数にする統計に一般的に起きることです。
誤解しないでほしいこと
この数字が虚偽だと言っているのではありません。
むしろ逆です。算定方法を注記している点は、評価されるべきです。業界には、算定根拠を書かずに数字だけを出す例もあります。注記があるからこそ、読む側は「どう計算されたか」を知ったうえで判断できる。
アガルートの記事では、占有率と合格率は別の指標であり、並べて優劣を論じることはできないと書きました。今回も構造は同じです。指標の定義を確認せずに数字だけを比較すると、必ず判断を誤ります。
| 予備校 | 公表指標 | 分母 |
|---|---|---|
| 伊藤塾 | 合格占有率90.2% | 合格者全体 |
| アガルート | 合格占有率39.1%(令和7年司法試験) | 合格者全体 |
| 資格スクエア | 合格率21.7% | アンケート回答者 |
**3社とも分母が違います。**この表を見れば、横に並べて比べられないことが分かるはずです。
CBT対応は、もう差別化要因ではない
2026年の試験からCBT方式が導入されました。資格スクエアは、本番のCBTシステム開発を担当したコンバイン株式会社と共同でシステムを開発し、法務省が公表している体験版の仕様に基づいて本番環境を再現したとしています。
これは強い対応です。ただし、アガルートも法務省のCBTシステム開発会社に依頼して演習環境を提供しています。同じ会社です。
つまり、上位各社のCBT対応は横並びに近づきつつあります。昨年までなら差別化要因でしたが、今は「対応しているのが前提」という段階に入りました。
選ぶ側としては、CBT対応の有無ではなく、演習環境でどこまで本番に近い操作を経験できるかを見るべきです。CBTの仕様そのものについては別記事で整理しています。
そのほかの構成要素
公式サイトに掲載されている主なサポートは以下のとおりです。
- フォローアップ:月1回の学習相談
- ワンクリック質問:平均回答日数0.24日(2025年7月度の社内調査による)
- 学習習慣化プログラム
- 短答攻略クエスト:短答演習・講義視聴アプリ
- オンラインレジュメ
質問の回答が速い点は、受講生の声にも繰り返し出てきます。学習中に生じた疑問は、その場で解消できないと手が止まります。ここの速度は、学習の総量に直接効く部分です。
また、全科目の講義が開講後すぐ視聴できる点も挙げられています。科目ごとに配信が順延される講座だと、学習リズムの立ち上げでロスが出ます。
向いている人・向いていない人
向いている人
- とにかく書く回数を増やしたい人。AI添削と人的添削の二層構造は、この用途に最も適した構成です
- 人に見られることに抵抗があって、答案を出せずにきた人。下の層で抵抗なく回せます
- 100万円は出せないが、人による添削は確保したい人。87万円台でこの構成は、価格帯として独自の位置にあります
- 質問の回答速度を重視する人
向いていない人
- 添削者の属性を事前に確定させたい人。公式サイトに明示がないため、受講相談での確認が前提になります
- 対面での指導を受けたい人。オンライン特化で校舎はありません
- 87万円を一括で用意できない人。分割の可否と条件は申込み前に確認してください
- 合格率の数字を根拠に選びたい人。前述のとおり、この数字は他社と並べて比較できません
判断を保留したい場合に取れる手段
資格スクエアは、申し込む前に試せる範囲が広いのが特徴です。ここは率直に評価できます。
- 無料講義体験で61講義を視聴する。戦略合格講義、民法、刑法、憲法、商法、選択科目が対象です。61講義あれば、講師の話し方と教材の作りは十分に判断できます
- AI添削・基礎問を無料で試す。非受講生でも利用できます。民法・刑法・憲法・商法の各1問が対象で、提出した答案をAIが採点して返します。添削の質を、申し込む前に自分の答案で確かめられる
- 無料受講相談を使う。ここで添削者の属性や分割払いの条件を確認してください
- 資料請求で解説動画を受け取る
**特に2つ目は、他社にない手段です。**文章での説明より、実際に自分の答案が返ってくるほうが判断は確実です。
まとめ
資格スクエアは、添削を層に分けて設計した予備校です。AIが形式を固め、人が評価を返す。この分業は、添削という作業の性質に合っています。
判断の順序としては、こう考えるのが実務的です。まず自分に必要なのは回数か、評価か。形式を直す段階なら下の層が効き、合格ラインとの距離を測る段階なら上の層が要ります。次に、上の層を誰が担当するのかを受講相談で確認する。合格率の数字は、この2つの判断のどちらにも使えません。
そして繰り返しますが、1社ですべてを埋める必要はありません。軸を1社に決めて、足りない機能を後から足すのが現実的です。
※本記事の料金・カリキュラム内容は、2026年10月2日時点で公式サイトに掲載されている情報に基づきます。予告なく変更される場合があるため、申込みの際は必ず公式サイトで最新の内容をご確認ください。また本記事は一般的な情報提供であり、個別の法的助言ではありません。